愛知県で自動車整備工場を建てるとき、土地の広さや価格だけで決めてしまうのは注意が必要です。
土地には、用途地域や市街化区域・市街化調整区域などのルールがあり、同じ愛知県内でも「整備工場を建てられる土地」と「希望どおりには建てられない土地」があります。
そこで本記事では、これから土地を探す方にも分かるように、用途地域、市街化調整区域、開発許可など、自動車整備工場を建てる前に知っておきたい不動産・建築の基本を、愛知県の制度や地域事情を交えながら解説します。
実際に愛知県での自動車整備工場の建設にも多数関わらせていただいた経験を生かして、分かりやすく解説します!
① 愛知県で自動車整備工場の土地を探す前に知っておきたいこと

自動車整備工場の土地を探すときは、価格や広さだけでなく、「その土地に、計画している整備工場を建てられるか」を確認することが大切です。
まずは土地探しで最低限知っておきたい、「3つの基本」から見ていきましょう。
土地があれば自動車整備工場を建てられるわけではない
「広い土地が見つかったから、ここに整備工場を建てよう」とすぐに決めることはできません。
土地には、用途地域や市街化区域・市街化調整区域といった都市計画上のルールがあり、さらに接している道路や敷地への出入口なども建物計画に関係する場合があります。
例えば愛知県の建築基準条例では、床面積の合計が50㎡以上の自動車修理工場について、原則として幅員6m未満の道路や一定の交差点付近などに、自動車の出入口を設けられないという規定があります。
つまり土地探しでは、「必要な広さがあるか」だけでなく、「その土地で予定している整備工場を実現できるか」という視点で確認する必要があります。
市街化区域と市街化調整区域の違い
まず知っておきたいのが、市街化区域と市街化調整区域です。
自動車整備工場が主に建てられる土地は、「市街化区域」「市街化調整区域」のいずれかです。
愛知県では、市街化区域を計画的な市街化を促進する区域、市街化調整区域を原則として市街化を抑制する区域として区分しています。
| 区分 | どんな区域? | 自動車整備工場の建設 |
|---|---|---|
| 市街化区域 | すでに市街地になっている、または計画的に市街化を進める区域 |
建設できる場合あり 用途地域などによって、建築できる用途・作業場面積等が異なる |
| 市街化調整区域 | 原則として市街化を抑える区域 |
原則として自由には建設できない 一定の要件を満たし、開発許可・建築許可等を受けることで建設できる場合がある |
※実際の建築可否は、土地の条件や建築計画などによって異なります。土地の購入・契約前に、行政や専門家へご確認ください。
特に注意したいのが「市街化調整区域」です。
市街化調整区域は、原則として新しい建物を自由に建てることができない区域です。
ただし、まったく建てられないわけではありません。土地の条件や建物の用途などが一定の基準を満たし、必要な許可を受けることで建築できる場合があります。
また、愛知県内でも名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・春日井市・豊田市や各事務処理市では、それぞれの市が開発許可事務を行っており、県の取扱いと異なる場合がありますので注意が必要です。
「土地の広さ」より先に確認したい用途地域
こうして考えると、自動車整備工場の土地を探す場合、まず候補にしやすいのが「市街化区域」です。
市街化区域は、すでに市街地になっている場所や、これから計画的に市街化を進めていく区域です。市街化調整区域のように建築そのものが原則として抑制されている区域ではないため、自動車整備工場の建設を検討しやすい区域といえます。
ただし、「市街化区域なら、どこでも自動車整備工場を建てられる」というわけではありません。
市街化区域の中は、さらに「用途地域」によって細かく分けられています。
用途地域とは、住宅の多い地域、店舗の多い地域、工場の多い地域など、街の使い方に応じて土地を区分する仕組みです。
例えば、第一種住居地域/準住居地域/近隣商業地域/準工業地域/工業地域/工業専用地域などがあり、どの用途地域なのかによって、自動車整備工場を建てられるか、作業場を何㎡まで設けられるかが変わります。
つまり、土地を探すときは、
① 市街化区域か確認する(整備工場の建設は市街化区域が候補になりやすい)
↓
② 市街化区域なら「何の用途地域か」を確認する
↓
③ その用途地域で、希望する規模の整備工場を建てられるか確認する
という順番で考えると分かりやすいでしょう。
次章では、用途地域ごとに自動車整備工場を建てられる条件がどう違うのかを具体的に解説します。
② 用途地域で変わる「建てられる自動車整備工場」
用途地域を確認すると、その土地に自動車整備工場を建てられるかだけでなく、どの程度の規模まで建てられるのかが見えてきます。
愛知県で土地を探す際も、土地情報に記載されている「用途地域」を確認し、予定している整備工場の規模と照らし合わせることが大切です。
用途地域によって建築できる規模が変わる
自動車修理工場は、どの用途地域でも自由に建てられるわけではありません。
例えば、第一種・第二種低層住居専用地域や第一種・第二種中高層住居専用地域では原則として建築できません。
一方、準住居地域や近隣商業地域などでは、一定の作業場面積までであれば建築できる場合があります。 準工業地域・工業地域・工業専用地域では、自動車修理工場について用途地域による作業場面積の上限は設けられていません。
| 用途地域 | 自動車整備工場の建築 |
|---|---|
| 第一種低層住居専用地域 | × 原則不可 |
| 第二種低層住居専用地域 | × 原則不可 |
| 第一種中高層住居専用地域 | × 原則不可 |
| 第二種中高層住居専用地域 | × 原則不可 |
| 第一種住居地域 | △ 条件あり |
| 第二種住居地域 | △ 条件あり |
| 準住居地域 | △ 条件あり |
| 近隣商業地域 | △ 条件あり |
| 商業地域 | △ 条件あり |
| 準工業地域 | ○ 建築可能 |
| 工業地域 | ○ 建築可能 |
| 工業専用地域 | ○ 建築可能 |
※「条件あり」の地域では、作業場の床面積や原動機などに制限があります。 また、実際の建築可否は土地・建物の条件等によって異なるため、計画時には行政や専門家へご確認ください。
自動車整備工場の作業場面積はどこまで可能?
建築基準法上、自動車修理工場の作業場には、用途地域に応じて50㎡・150㎡・300㎡以下といった面積制限があります。また、原動機についても制限が関係する場合があります。
ここで注意したいのが、基準となるのは土地の面積や建物全体の床面積ではなく、「作業場の床面積」だということです。
そのため、「この土地は300㎡あるから大丈夫」「200㎡以下の建物だから大丈夫」とは判断できません。
事務所や待合スペースなどを含めて、建物のどの部分が「作業場」に該当するのかを整理したうえで、計画している用途地域の制限を確認する必要があります。
| 用途地域 | 作業場の床面積 |
|---|---|
| 第一種住居地域 | 50㎡以下 |
| 第二種住居地域 | 50㎡以下 |
| 準住居地域 | 150㎡以下 |
| 近隣商業地域 | 300㎡以下 |
| 商業地域 | 300㎡以下 |
| 準工業地域 | 面積制限なし |
| 工業地域 | 面積制限なし |
| 工業専用地域 | 面積制限なし |
※自動車修理工場の「作業場」の床面積に関する用途地域上の制限です。原動機など、床面積以外の制限が適用される場合があります。
200㎡以下でも土地によって建てられないことがある
ガレージエクステリアが得意とする200㎡以下の小規模な自動車整備工場であっても、「200㎡以下だからどこでも建てられる」というわけではありません。
例えば、用途地域によって自動車修理工場そのものが原則建築できない地域もあれば、作業場を50㎡・150㎡までに抑える必要がある地域もあります。
さらに愛知県では、床面積の合計が50㎡以上の自動車修理工場について、都市計画区域・準都市計画区域内では、敷地の自動車出入口を原則として幅員6m未満の道路など一定の道路に面して設けられないという県条例上の規定もあります。
つまり、用途地域はOK → それだけで土地決定ではありません。
用途地域 → 作業場面積 → 道路・出入口 → 市街化区域等の条件 → 土地全体と順番に確認することが重要です。
(敷地の自動車の出入口)
愛知県建築基準条例第25条
第25条 自動車修理工場及び自動車車庫で床面積の合計が50㎡以上のもの(自動車車庫にあつては、住宅に附属するものを除く。)並びに倉庫業を営む倉庫及び荷さばき所で床面積の合計が200㎡以上のものの敷地の自動車の出入口は、次の各号のいずれかに該当する道路に面して設けてはならない。ただし、知事が交通上及び安全上支障がないと認める場合は、この限りでない。
一 幅6m未満の道路(知事が定める空地に接する部分を除く。)
二 交差点(2以上の道路の幅が6m以上のものに限る。)から5m以内の道路(中央分離帯のある道路にあつては、その道路のうち丁字路の交差点において他の道路と交差しない側の部分を除く。)
三 曲がり角、横断歩道及び横断歩道橋(地下横断歩道を含む。)の昇降口から5m以内の道路
四 路面電車及び乗合自動車の停留場、安全地帯並びに踏切りから10m以内の道路
五 公園、小学校、特別支援学校、幼稚園、老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するものの出入口(職員専用のものを除く。)から10m以内の道路
一部改正〔昭和 46年条例 26号・平成2年 38号・ 12年 64号・ 19年9号〕
③ 愛知県で特に注意したい市街化調整区域と開発許可
愛知県で自動車整備工場の土地を探す際、特に注意したいのが「市街化調整区域」です。
市街化調整区域は、原則として市街化を抑制する区域です。そのため、市街化区域と同じ感覚で「土地を購入して整備工場を建てる」と考えることはできません
市街化調整区域では整備工場を自由に建てられない
市街化調整区域は、市街地が無秩序に広がらないよう、原則として新しい建物の建築を抑える区域です。
そのため、市街化区域と比べると、自動車整備工場を新しく建てるための条件は厳しくなります。
ただし、市街化調整区域だからといって、すべての建築が禁止されているわけではありません。
一定の要件を満たし、必要な許可を受けることで、自動車整備工場を建てられる場合もあります。
愛知県では、市街化調整区域で開発を行う場合、都市計画法第34条などに基づいて「どのような場合なら許可できるのか」という基準を定めています。また、土地の造成などを伴わず建物を建てる場合でも、都市計画法第43条に基づく許可が必要になることがあります。
土地を購入する前に開発許可の可否を確認する
開発許可とは、主に建物を建てる目的で土地の区画や形状などを変更する「開発行為」を行う際に必要となる許可です。愛知県では、開発行為に該当する場合、原則として着手前の許可が必要です。
特に市街化調整区域の土地を検討する場合は、「土地を購入する → 開発・建築できるか相談する」ではなく、「候補地を見つける → 整備工場の計画を伝える → 開発・建築できるか確認する → 土地を契約する」という順番で進めるのが重要です。
なお、開発許可が必要かどうかは、単純に土地の面積だけで判断できません。土地の区域、現在の利用状況、造成の内容、建築計画などによって異なるため、具体的な候補地が決まった段階で行政や専門家へ確認しましょう。
愛知県では建設する市によって相談先が異なる
ここは愛知県で土地を探す際に、ぜひ知っておきたいポイントです。
愛知県内では、開発許可の申請・相談先がすべて「愛知県」になるわけではありません。
名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・春日井市・豊田市に加えて、瀬戸市・半田市・豊川市・津島市・碧南市・刈谷市・安城市・西尾市・犬山市・江南市・小牧市・稲沢市・東海市・大府市・知立市・田原市では、それぞれの市が開発許可事務を行っています。
それ以外の県所管地域では、地域に応じて尾張・知多・西三河・東三河の各建設事務所建築課が審査・相談窓口となります。なお、申請書自体は開発区域の市町村で受け付けています。
さらに愛知県は、県の許可基準・取扱いについて、これらの指定都市等・事務処理市では取扱いが異なる場合があると明記しています。
そのため、例えば「愛知県の基準では大丈夫そう」と判断するのではなく、実際に整備工場を建てる市の窓口で確認することが重要です。
ガレージエクステリアなら、土地からしっかりサポート!
④ 愛知県で自動車整備工場を建てるまでの流れ
ここまで見てきたように、自動車整備工場の建設では、土地の価格や広さだけで候補地を決めることはできません。
愛知県で新設・移転する場合は、「整備工場を建てられる土地か」を確認してから契約し、その後に設計・申請・建設へ進むのが基本的な流れです。
土地探しから建設までの基本的な流れ
大まかには、次のような順番で進めます。
STEP1|建てたい整備工場の条件を整理する
まず、必要な作業場の広さ、扱う車両、リフトなどの設備、駐車・車両置場といった条件を整理します。
STEP2|候補エリア・土地を探す
交通アクセスや土地価格だけでなく、必要な敷地面積、前面道路、車両の出入りなども考えて候補地を探します。
STEP3|用途地域・市街化区域等を確認する
候補地が見つかったら、用途地域を確認し、計画している規模の自動車整備工場を建築できるか確認します。市街化調整区域の場合は、より慎重な確認が必要です。愛知県では、市街化調整区域を原則として市街化を抑制する区域としており、開発・建築には許可基準があります。
STEP4|開発許可などの必要性を確認する
造成などを伴う場合は、都市計画法上の開発許可が必要になることがあります。愛知県内では、建設する市によって許可・相談窓口も異なります。
STEP5|設計・見積もりを進める
土地の条件を踏まえて、作業場、リフト、シャッター、車両動線、事務所などを具体的な建物へ落とし込みます。自動車特定整備事業の認証を受ける場合は、必要な施設基準なども並行して確認します。
STEP6|必要な申請を行い、建設する
建築確認や、計画によって必要となる各種許可を経て着工します。完成後は必要な完了検査等を受け、設備搬入や認証手続きを経て営業開始へ進みます。愛知県では建築物の工事完了後、建築基準関係規定への適合を確認する完了検査の制度があります。
土地を契約する「前」に行政・建設会社へ相談する
自動車整備工場の建設では、土地を探し始める段階から、自動車整備工場の建設経験がある建設会社へ相談するのも一つの方法です。
一般的には、土地が決まってから設計・建設について建設会社へ相談するケースも多いですが、ガレージエクステリアでは、まだ候補地が見つかっていない段階からご相談いただけます。
「どのくらいの土地が必要なのか」「どんな土地を探せばよいのか」といった段階から建設会社と一緒に考えることで、建てたい整備工場から逆算して土地を探しやすくなります。
さらに候補地が見つかった後は、作業スペースや車両動線、前面道路などを踏まえて、その土地で希望する整備工場を計画できるかを建設の視点から確認できます。
土地探し → 土地契約 → 建設会社へ相談ではなく、建設会社へ相談 → 必要な土地条件を整理 → 土地探し → 候補地を確認 → 土地契約という進め方も検討してみてください。
ガレージエクステリアなら、土地からしっかりサポート!
200㎡以下の整備工場ならガレージエクステリア


ここまで見てきたように、自動車整備工場の建設では、建物だけでなく、用途地域や市街化調整区域、前面道路など土地の条件を確認することが重要です。
土地探しの段階からご相談ください
「この土地に整備工場を建てられる?」「土地は決まっていないけれど、どれくらいの広さが必要?」「購入を検討している土地があるので、一度見てほしい」といった土地探し・候補地の段階からご相談いただけます。
土地を購入してから建物を考えるのではなく、建てたい整備工場から逆算して土地を確認することが、土地選びで後悔しないためのポイントです。
200㎡以下なら「規格化×鉄骨」という選択肢
一般的な建設会社で鉄骨の整備工場を建てる場合、建物の構造や部材、設計などを一棟ごとにゼロから検討していく方法が基本です。
もちろん自由度が高いというメリットがありますが、200㎡以下の比較的小規模な整備工場では、そこまで自由設計を必要としないケースもあります。
そこでガレージエクステリアが採用しているのが、「規格化×鉄骨」という建て方です。
建物をゼロから設計するのではなく、あらかじめ規格化された鉄骨建築をベースにすることで、設計や部材を合理化し、鉄骨造の強さを活かしながら建設コストを抑えます。
一方で、単に決められた建物を建てるわけではありません。
リフトの台数や配置、シャッターの位置・大きさ、作業スペース、車両動線などは、整備工場の使い方に合わせて計画できます。
つまり、ゼロからすべてをつくる自由設計ではなく、必要なところには自由度を残し、規格化できるところは規格化する。
これが、ガレージエクステリアが200㎡以下の自動車整備工場でご提案している建て方です。
愛知県で200㎡以下の自動車整備工場をご検討なら、土地が決まる前からでもお気軽にご相談ください。


ガレージエクステリアなら、土地からしっかりサポート!

